Humberger

10月14日、関東大学サッカーリーグ1部第17節慶應義塾大学vs桐蔭横浜大学の一戦。この試合は慶應ソッカー部にとって今季唯一の慶應日吉下田Gホームゲームということで、気合の入る集中応援日。

ソッカー部のTwitterでも試合前にトップチーム全員の選手紹介をしていました。

🌟 #慶應選手紹介特集 🌟
#7 渡辺夏彦(國學院久我山高・4年)独特のオーラを放っていることで有名な彼も慶應でのプレーは残りわずか😢今年の早慶戦でのゴールが記憶に残るが、リーグ戦での慶應の勝利は彼のゴールにかかっている💥ピッチ内外で多方面に活躍する彼の"髪型🍄"にも要注目⁉️ pic.twitter.com/enaaZxA5Zg

— 慶應義塾体育会ソッカー部 (@keio_soccer1927) 2017年10月10日

今回の記事は中立な立場で書くか迷うところですが、「自分の大学を応援しよう」という気持ちをお届けしたいので、あえて慶應寄りで書かせていただきます。

私も気合を入れてキックオフ2時間前に日吉駅到着。ちなみに日吉駅の発車メロディは期間限定で「若き血」となっています。水道橋駅で闘魂こめてが流れるのと一緒です。これぞ圧倒的ホーム感!

キックオフまで時間があるので日吉駅商店街、通称「ひようら」を散策しましょう。歩き始めて間も無く、こんなのを発見。

今日のポスター貼ってある!
聞くところによると、部員が商店街でポスター掲示の活動をしたりキャンパスでビラを配ったりと、いろいろ頑張ったとのことです。

ということで今日のランチ即決定。このポスターが貼ってあった「九州釜炊きとんこつ がっとん」さんに入りましょう。店の前には行列ができています。

いただきます。

ごちそうさまでした。
年中無休で替え玉or小ライス無料ですって。素晴らしい。
店員さんも元気のいい方でした。

ではこれより下田Gに向かいます。

下田G到着。雨は今のところ降っていません。

慶應の応援部隊も準備万端。

今日の試合はホームということで負けられない慶應ですが、順位的にも今日がヤマ場。12チーム中下位2チームが2部降格となるリーグ戦で、現在慶應は10位、桐蔭横浜は12位と互いに苦しい状況。慶應のゴール裏には「絶対残留」のダンマクが掲げられています。

いよいよ午後2時キックオフ。

観客席はピッチのすぐ脇なので、目の前で激しいプレーを見ることができます。

今日の慶應はボールが収まらず、なかなかシュートは打てません。
すると前半30分、左サイドを破られ桐蔭横浜に先制を許してしまいます。
前半は1点ビハインドで折り返し。観客もだいぶ集まりましたが、雨が降ってきました。

後半追い上げる慶應ですが、さらに桐蔭横浜に追加点を奪われてしまいます。
残り10分となったところで慶應はようやく反撃の1点を返しますが、追い上げもここまで。

試合終了とともに11位日体大の勝利の知らせも入り、いよいよ窮地に追い込まれてしまいました。

選手の背中からは敗戦のショックが伝わってきます。
ホーム下田Gでの敗戦で依然として苦しい状況が続く慶應。残り5試合に全てを賭けます。

この試合の詳細なレポートはケイスポさんの記事をご覧ください。(http://keispo.org/wordpress/?p=45478)

試合には敗れてしまいましたが、下田Gでのホームゲームのホーム感は格別でした。ホームはやはり盛り上がります。今度は定期戦などでも試合が行われる日吉競技場(日吉駅のすぐそば、スタンド付き)でもリーグ戦が見たいですね。

(文章 慶應義塾大学3年 市川嵩典)

インタビュー
林草太郎
慶應義塾体育会ソッカー部4年主務
1995年5月22日生まれ
清水東高校出身
ポジションはDF
ニックネーム:そうたろう、くさ

インタビュアー
須原健太
ニックネーム:ぽんた
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『ユニサカメンバーを知る!インタビュー企画第一弾』は、ユニサカ副代表であり体育会ソッカー部主務の林草太郎さんにインタビューを実施しました。
この企画は、インタビューを通してユニサカメンバーの生い立ちや素顔を知ってもらい親近感を持ってもらうこと、ユニサカや大学サッカー・スポーツに対する熱い想いを語ってもらい、ユニサカに賛同するファンを増やすことを目的としています。

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ぽんた(以下ぽ):本日はよろしくお願いします。まずは簡単に自己紹介をお願いします。

草太郎(以下草):慶應義塾大学商学部4年生、林草太郎です。
僕は父親の影響でサッカーを物心ついたときからずっとやってきました。サッカーは自分にとって遊ぶツールのようなもので、幼稚園のころからサッカーを通して友達を作ったし、3つ上の姉と1つ下の弟と3人で日が暮れるまでボールを蹴っていました。

それから小学校、中学校、高校とサッカーを続けてきました。高校では内田篤人選手の出身校としても有名な清水東という学校のサッカー部に入ってキャプテンを務めました。毎年指定校推薦やAO入試で慶應に行く選手がいたので、その流れで指定校で慶應に入り、ソッカー部に入部しました。

これは今のユニサカの活動にも繋がってくるのですが、高校時代の自分自身について思うことがあります。それは、ただ単に文武両道という言葉で片付けてしまっていた自分に対する問題意識です。それと今周りに対して感じている問題意識が合わさって、ユニサカに熱く取り組んでいる理由になっています。

ぽ:「文武両道で片付けてしまった」というのはどういうことですか?

草:中学まではクラブチームでサッカーをやっていたので、自分がサッカーをやる環境と学校で勉強する環境が離れていました。クラブではサッカーが評価され、学校では勉強が評価される。だからこそ両方で評価を取りたいと思ったし、それぞれを別のものとして本気で頑張れました。

高校に入るとそれが一つになって、「部活でキャプテンをやっているのに勉強も頑張っているね」とか「勉強すごいのにサッカーも頑張ってるね」など、関係が繋がり、自分の中でどっちつかずになってしまいました。文武で妥協し合っていたんですね。

周りから言われる「文武両道ですごいね」という評価に、自分の意志が全くないまま、それで良いんだと感じてしまっていたことに対する後悔があります。周りから評価されることが正解だと思っていたので。大学に入り、これが終わればサッカーを辞めると考えた時に、周りの評価を気にして何かをやっても、自分が得られるものは結局無いというか、違うところにあるなと感じました。

ぽ:そう思う原体験みたいなものがあったのですか?

草:高校サッカーの最後の試合が終わった時に、大学でサッカー続けるのやめようかと本気で悩んだことがありました。というのも、最後自分たちの引退が決定した時に全然泣けなかったんです。

この話をするのは、すごく恥ずかしいのですが、最後の大会のリーグ戦で1試合目に負けてしまい、2試合目は最低でも引き分けないと引退が決まるという試合。途中まで負けていて、自分のパフォーマンスが悪くキャプテンなのに途中交代させられてしまいました。ベンチでも応援したのですが、ベンチから審判に猛抗議してイエローカードをもらってしまい、累積で次の試合にも出れなかったんです。結局その試合も負けて引退試合。ベンチにもはいれませんでした。

その引退試合の後も、全然思ったほど涙が出てこなくて、高校3年間でやってきたことはこれなのか、と思ってしまったんです。その時、周りからの評価だけを気にしてやっていくとこうなってしまうのだ、と本気で思いました。自分が勉強を言い訳にしていなかったら、もっとサッカーを頑張っていただろうし、勉強も違う方向で頑張れたかもしれない。周りの評価に乗せられても、自分の感情は全く満たされないと感じました。

自分が何の為にやっているのかという「目的意識」と、やっていることに対してちゃんと跳ね返ってくるものがあるかという「張り合い」の部分。これがないと、最終的には負けても泣けないし、勝っても喜べないと思います。そしてそれは僕だけではないと思います。

だからこそ、今は自分が目的意識を持ってやりたいと思えること、例えば大学サッカーを変えたいという思いを持って、ユニサカにも部活にも取り組んでいます。

ぽ:大学サッカーの変えたい部分とはなんでしょう?

草:慶應のソッカー部は周りからすごいねとよく言われます。慶應義塾大学は日本の大学の中でもトップレベルの大学ですし、サッカーも体育会の中でメジャーなスポーツです。でも実際に自分が入ってみて、「もっとできるでしょ」と思う部分があります。

サッカーにせよ、勉強にせよ、それ以外のことにせよ、本当に目的意識を持って取り組んでいる人がいるのかと言えば、(自分自身が把握できていないだけかもしれませんが)多くはないと感じます。大学は自分で考えて行動を起こすことができる環境が揃っていて、それが高校やプロのJリーグの選手との違いだと思います。

ただ環境を与えられてサッカーをしていたり、なんとなく日本一や関東一を目指すということだけでサッカーをやっているのであれば、高校時代と変わりないし、プロにならないならやる必要はないのでは?という意見はもっともかもしれません。そこで僕は「慶應の体育会ソッカー部たる人間とはどういう存在なのか」を問い直したいと思っています。

ぽ:草太郎の中で「体育会ソッカー部の人間」の定義はどういうものですか?

草:もっと自分の枠組みを超えて良いと思っています。「自分は一部員だから、ただ与えられた練習に出て、与えられた役割なり仕事をこなすことで、部に貢献する」という考えでも良いのですが、ユニサカの活動のように「大学サッカー全体のことを考えてみましょう」とか、「選手だけど早慶戦を大きくして盛り上げてみたいから運営面もやりたい」など、「選手」という与えられた役職の中だけでなく、大きな視点で取り組んでほしいです。もっとできることはあるはずだし、そこに制限はないと思っています。だからこそ、もっと主体的に動ける部員が増えて欲しいと思うし、自分自身もそうなりたいと思います。小さなことでも良いので、どんどん発言したり行動する人が増えないと、ユニサカが目指すものは中身の伴わないものになってしまいますし、ソッカー部は強くなりません。

ぽ:大学サッカーのビジョンや理想像というものはありますか?

草:大学サッカーの練習環境はすごく整っていると思います。それは卒業してからも金銭的援助やなんらかの形で部に関わってくださるOBの方々のおかげです。一方でOBに依存しすぎているというか、パワーバランスがOBに傾いており、「OBの下にいる学生」という面が見られることもあります。OBに対する不満では全くなくて、本当に大事な存在で感謝しているのですが、OBや大学本体とのパワーバランスを整えることで、もっと学生が学生主体になれるのではと考えています。OBの方々のパワーうんぬんではなく、単純に部員が主体的に動く部分を増やして結果的にバランスを整えたいです。主体的に動ける環境、部員がいることが体育会の社会的価値を深めていくのではないかと思っています。

また、大学サッカーが社会的に一目置かれる存在になって欲しいです。大学サッカーにいる人材が他にはなかなかないものになって欲しいです。高校サッカーが与える青春の感動や、プロの技術力の高さによる熱狂もそうですが、大学サッカーにしかできないものをやっているからこそ、大学サッカーをやっている人ってすごいよねと言われるようになりたいです。

大学サッカーを変えるとか早慶戦を満員にするとか、できない・限界と思われていたこともやればできるということを証明したいです。それは社会に対しても、自分に対しても。そして副次的でもいいので、それに続こうと思える人が出てくれれば嬉しいです。

ぽ:話は変わって、今のユニサカでの役割を教えてください。

草:副代表を務めています。早慶戦で言えば、早慶両部との橋渡し役、協賛金の獲得や運営面といったビジネス面、あとはテレビの放映など、予算面や運営面に幅広く携わっています。

ぽ:選手もやりつつですよね。忙しくないですか?

草:選手、主務、ユニサカ、就活と、大変な時期はありました。でもそういう時期が一番楽しいです。高校時代は勉強とサッカーだけやっていればよかったのでラクでしたが、自発的に考えてあれもこれもやらなきゃいけないって思う今が一番楽しいと感じます。今の楽しさが自分にフィットしていますし、こういう時のほうがうまく行くこともあるんですよね。かけられる時間は減っていくんですが、集中力が上がったり切り替えができるようになるんですかね。でも、就活は少し焦りました笑

ぽ:ユニサカは今後どういう組織になっていって欲しいですか?

草:ユニサカは現在、早慶クラシコプロジェクトを終え、大学スポーツ国際デーシンポジウムの運営に動いています。また唯一の学生としてNCAA創設に向けた学産官連携協議会にも参加しています。思い描いていたよりも相当早いスピードで活動が広がり、理念に沿った活動内容の検討も繰り返しています。その中で常に大学スポーツの魅力は何であるかを追究しそれを体現する組織であって欲しいと思っています。

ぽ:最後に今年の早慶戦を振り返って感想をお願いします。

草:早慶戦は全部員が何かしら感じるものがある舞台であると思います。社会に対して大学サッカーの魅力を伝える起爆剤になることはもちろんのこと、体育会という組織の中でも、部員が主体性を持つための起爆剤になる試合にしたいと思っていました。それが大学サッカーの魅力を高めることにも繋がりますし。

スタジアムで熱狂して、部員や観客を含め様々なバックグランドを持った人が一体感を感じるということ、それがスポーツの魅力であり、そしてそれを大学生が作っているということが、早慶戦ならではだと思います。特に早慶生に関して言えば、自分と同じ学校に通っている学生がそういうものを作っている、その舞台に立っているということに対して、何か思うところがあって欲しいし、それが得れるような早慶戦にすることが目標でした。
しかし実際は目標動員数には遠く及ばず、結果的には大きなインパクトを残すことはできず、様々な施策に対して賛否両論が出ました。それでも「早慶戦運営で何を目指すのか」「早慶戦の魅力は何なのか」を問いかけることはできたのかなと思っています。それを後輩が感じて何かしらの形で来年さらに磨きのかかった早慶戦がみたいですね!

ぽ:ありがとうございました。

草:ありがとうございました!

今年の慶應ソッカー部の試合では、こんな応援風景を見ることができます。

【応援歌の紹介】
昨日の関東リーグ戦では、大学の應援指導部と連携し、有志の部員から成る応援部門を先頭に熱い声援が送られました📣#柏レイソル の応援団が歌う #突き進め柏 を参考にした #突き進め慶應 の歌になるとスタンドは一気に盛り上がりました🔥その様子を紹介します📹 pic.twitter.com/0KnX6ztlOU

— 慶應義塾体育会ソッカー部 (@keio_soccer1927) 2017年9月24日

柏レイソルの応援を参考にしたソッカー部。するとこの投稿のあと柏レイソルのマスコット、レイくんから反応がありました!

いいね✊🙌😉 https://t.co/66ZEePQ9x4

— レイくん@柏レイソル (@Rey_kun) 2017年9月24日

この「突き進め柏」はバックドロップシンデレラさんの「さらば青春のパンク」という曲が原曲なのですが、実はこの曲、バックドロップシンデレラさんと柏レイソルサポーターが一緒に作り上げたものなのです。MVにも柏レイソルサポーターが登場しています。

この曲にはこうした経緯があったのですが、ついにそのバックドロップシンデレラさんからも反応が!

特にどこの学校も応援していなかったバックドロップシンデレラですが、これを機に慶應義塾を応援することにします

— バックドロップシンデレラ【最近発売した】 (@bdcinderella) 2017年9月24日

部員が歌ったチャントがきっかけとなり、バックドロップシンデレラさんが慶應を応援してくれることになりました。
これを機に大学サッカーにも興味を持っていただけるとありがたいです!

(文章 慶應義塾大学3年 市川嵩典)

スポーツビジネスに関わりたいと志す学生は多い。そしてその大半が、この業界は決して稼げる世界ではないことを既に知っている。にも関わらずなぜ多くの学生がスポーツビジネスをやりたいと言い続けるのか。それは学生にとって、それでもこの業界で働くことのやりがいと魅力を感じているからであるのは言うまでもない。

こうした状況が生むことは大体予想がつく。各プロクラブはインターン希望の学生をタダで雇い、学生もこの申し込みに殺到。タダでもインターン枠の奪い合いになる。それどころか学生が金を払うことも珍しくない。毎日のようにいたるところで開催されるスポーツビジネスのセミナーの参加費は何千、何万円にも上る。もはやクラブ経営よりセミナーを開いたほうが儲かりそうな勢いだ。

クラブがタダの労働力として学生を雇うこと自体は本質的な問題ではない。学生だって経験を積めるわけだし、両者winwinの関係であれば決して奴隷契約ではない。
問題なのは、これだけタダの労働力が市場に溢れていると、クラブは給料を払ってスタッフを雇う必要が無くなってしまうのである。つまり「職業」としての雇用が減るのだ。
スポーツビジネスを志す学生が増えれば増えるほど雇用が減る。とんでもない悪循環である。

そもそもスポーツビジネスというジャンル自体ざっくりしすぎている。選手獲得やらスポンサー獲得やら集客やら、分野を挙げたらキリがない。全てのジャンルでプロフェッショナルになるのは相当難しい。しかし困ったことにスポーツビジネスという一括りのもので捉えている人は、経営者レベルでも意外と多い。「5000円のファンクラブ会員を200人集めること」と「100万円のスポンサーを1つ獲得すること」は同じ意味だろうか。ビジネスという呼び方をしてしまったがゆえに、金額でしか判断されない典型的な例である。

そんなスポーツビジネスの中でも集客だけは異質なものであろう。選手獲得やスポンサー獲得は完全にクラブの役割である。しかし集客においてはクラブだけの努力ではどうすることもできないこともある。ここで必要なのが「サポーター」だ。観客ではなくサポーターである。
サポーターの定義の話をすると大変なことになるのだが、ここでは以下のように定義する。
試合を観に来る人は「観客」、自らがクラブに金を払う以外の行動をする観客は「サポーター」。もちろん応援もこの行動の一つである。応援とは声を出して応援することに限らない。駅前でビラ配りすることだって、SNSで勝利を願うのだって応援である。
サポーターの役割について少し考えてみたい。

サポーター側の立場から。サポーターは常に「クラブの力になるにはどうしたら良いか」を考えている。そしてその問いに対する答えは、各クラブごとに違うだろう(もちろん正しい答えは無いのだが)。例えばJリーグでいうと鹿島のサポーターは、チームに対し優勝しか求めない雰囲気作りをしている。鹿島が常勝軍団たる理由は、2位では許されない、優勝しか意味がないというクラブのアイディンティにある。だから鹿島のサポーターは優勝のみを求め、負ければ一部のサポーターは荒れ狂う。ごくたまにみられるサポーターの暴力行為の是非はさておき、それが常勝軍団の雰囲気作りの一端を担っていることは間違いない。

鹿島のようなクラブなら集客面においてサポーターの役割はほぼないかもしれない。しかし、そのようなクラブは珍しい。どのクラブも優勝なり昇格なりを狙っていくわけだが、そのための体制を築くためにまず観客を増やさなければならないクラブは山ほどある。Jリーグ参入要件に観客数の項目がある以上この問題は避けられないし、Jリーグのクラブでも入場料収入は永遠の課題である。クラブは当然集客への取り組みを行うが、それだけでやれることは限られてくる。この状況でサポーターは「クラブの力になるにはどうしたら良いか」を考えた時、サポーター自らも集客をしようとする流れが起きることもある。サポーターが集客をするといっても何か大きな企画を打つことではない。大きな集客企画をするのはクラブの役割だ。サポーターがやる集客とは、SNSで来場を呼びかけたり、駅前でビラを配ったりする地道な活動である。スタジアムが楽しい場所であることをアピールするためには、楽しんでいる張本人のサポーターが発信するのが一番効果的である。これはクラブがいくらやってもできない、サポーターだからこそできる役割だ。サポーターだって仲間が欲しいし、それでクラブが強くなるなら喜んでやる。

逆にクラブ側の立場から言えば集客を自発的にやってくれる存在は当然ありがたい。クラブができないことをしてくれるならなおさらのことである。
こうしたサポーターの努力は観客数などによって現れる。しかしこの成果をサポーターの価値として捉えてくれるとは限らないようだ。それゆえ先ほど述べたような「100万円の価値」を正しく受け止めてくれないケースが度々発生する。

どうしたらサポーターの価値が認識されるのだろうか。もっとも、サポーターは見返りを求めて行動を起こしているわけではない。この価値を認識した方がクラブにとってメリットがあるから認識して欲しいのだ。
スポーツビジネスを教える先生方には是非学問領域としてサポーターを、応援を捉えていただきたい。いやむしろスポーツビジネスの中に応援があるのではなく、応援の中にスポーツビジネスがあると言っても過言ではない。
応援論という哲学、集客という経営学、消費としての行動経済学、負け続けても応援するというある種の宗教学、そしてサポーターという人々の文化人類学。スポーツビジネスが学問として認識された今だからこそ、応援という領域の確立が求められる。

スポーツビジネスを志す学生の中でも、集客に関する課題解決は最も関心が高いジャンルの一つである。だからサポーターの価値について認識する必要がある。あえて言うが、実際スタッフよりもサポーターとして活動した方が集客の手応えが得られると思う。クラブの実績を上回る集客をしているサポーターも多い。現実として多くのクラブはそうしたサポーターを欲しているが、そのような人材はごくわずか。クラブに求められる人材としてはある意味スタッフより需要がある。

スポーツビジネスの学科や学校があるなら、学問領域、人材育成の両面から「応援学科」が誕生してもおかしくないと思っている。社会に求められていることは確かなのだから。

(文章 慶應義塾大学3年 市川嵩典)

10/23シンポジウムに向けた事前勉強会第2回を開催いたしました。

今回は講師に
岩政大樹様(東京ユナイテッドFCプレイングコーチ、元サッカー日本代表)
小笠原悦子様(順天堂大学大学院教授、女性スポーツ研究センター長)
をお迎えしました。

講義のあとは、参加者によるグループディスカッションを行いました。
参加者からは活発な意見が飛び交い、有意義な時間となりました。
‪勉強会を通じて深めたことを10/23シンポジウム、さらに学産官連携協議会にも反映していきます!‬

‪10/23シンポジウムの参加申込はこちらで受付中です。ぜひご参加ください!‬
‪↓‬
http://unisoc.peatix.com

10月23日に大学スポーツ国際デー記念シンポジウムが開催されるのに合わせ、本日は日本版NCAAについての理解を深める事前勉強会の第1回を行いました。

今回は講師として
渡邊伊織様(スポーツ庁地域振興担当調査官)
川井圭司様(同志社大学教授・日本スポーツ法学会理事)
のお二人をお招きし、“NCAAと日本版NCAA”をテーマに講義を行っていただきました。

講義の後は日本版NCAA構想について参加者同士でディスカッションを行いました。
参加者自身が今後どのように考え、行動すべきかについてより深く考える会となりました。

常勝軍団鹿島アントラーズのホームタウン鹿嶋市の人口は約67,000人。それでもアントラーズの平均観客動員数は約19,000人を数え、今も日本サッカー界の頂点に君臨する。
一方日本最大の学生数を誇る日本大学の学生数は、鹿嶋市を上回る約74,000人。さらに卒業生数は何と100万人にも上る。コミュニティの大きさなら都市部の自治体にも引けを取らない。
「大学スポーツって、その大学の人しか観にいかないでしょ?」とよく言われるが、それでも充分な数を集められるはずだ。慶應の学生が慶應の試合を観に行くことも、早稲田の学生が早稲田の試合を観に行くことも、日本人が日本代表の試合を観に行くことと同じように、そこに理由なんていらない。ところが今の大学スポーツの問題はここにある。来るべき人が来ていない。
特にサッカーはメジャースポーツ。サッカー好きの大学生なんていくらでもいるはずだ。それでも普段の試合はほとんど観に来ない。
私が早慶戦の集客を通じて感じたのは、彼ら意外と「誘えば来る」のだ。いくら告知しても来なかった層が、直接声をかけて誘ったら来たのだ。
そう、集客の特効薬は地道な声がけを続けることだった。我々は集客について、企画や告知をどうするかについてかなり考えたのだが、声がけについてはある意味盲点だった。
それを考えると我々がまず取り組まなければならないのは、誘えば来る層を何度も呼んで固定客にすること。まずは足元から。綺麗な華を咲かせるためには土から手を加える必要があるように。

(文章 慶應義塾大学3年 市川嵩典)

ユニサカが独自の視点で大学スポーツを特集する企画 【ユニスポ ピックアップ!!】初回となる今回は10/1(日)に開催された関東大学バスケットボールリーグ戦2部 慶應義塾大学VS駒澤大学の一戦を特集します。

慶應義塾内の一貫校、大学生だけでなく、大学周辺の地域住民との架け橋になるようなホームゲームを行うべく第3回UNICORNS GAME「ARCH」というテーマが付けられたこのゲームはリーグ戦でありながら、ホームの慶應義塾バスケットボール部の学生によって企画・運営されたのが特徴だ。尚、会場である慶應義塾記念館は11月から改修工事に入るためこのゲームが改修工事前最後のホームゲームになるそうだ。

まずはゲームの紹介をする前に告知ポスターが面白かったので取り上げたい。

この他にも10枚以上の告知ポスターがあり、どれもクオリティーが高くて面白かった。

ゲームの話題に移ろう。
ゲームが開催された慶應義塾日吉記念館は日吉駅から徒歩3分の場所に位置している。日吉駅は渋谷駅から20分、横浜駅から15分であるからまさに最高の立地と言えるのではないか。慶應大学は他にも日吉駅直結の陸上競技場、プールを抱えているが、そのポテンシャルを生かせているとはお世辞にも言えない。陸上競技場のピッチがきちんと整備され、スタンドも拡充されれば大学スポーツのホームゲームを開催する絶好の場所となるだけでなく、プロチームの誘致なども可能だろう。非常に勿体無い。

話が脱線してしまった。。。
このゲーム、慶應の学生には入場料と応援Tシャツのセットが1000円で販売されている。普段スポーツ観戦をされる方ならこの価格が如何に凄まじいかお分かり頂けるはずだ。
”ARCH”というロゴが印象的な応援Tシャツには真ん中にエンブレムであるユニコーンがプリントされている。見ての通りお得なだけでなく、デザイン性も非常に高いのだ。かっこいい。
応援Tシャツは紺色と白色が用意されており、ユニサカメンバーも勿論Tシャツを購入。紺色を選んだ。

アップでは選手がこの”ARCH” Tシャツを着用してアップするため、Tシャツを購入した観客は自然と選手との一体感を感じることが出来た。

スクリーンを使ったモチベーションビデオや選手紹介動画の放送はどれも高い完成度で、スタジアムDJが常に観客を煽るため会場は大きく盛り上がった。が、何より凄かったことは演出の全てがホームの慶應寄りなのだ!!!!というかアウェイの駒澤大学に対しては終始ほぼ触れずスルー。慶應の攻撃になればスタジアムDJが”オーフェンス!!オーフェンス!!”と煽り、得点が決まると得点した選手の名前を叫ぶ。
大学スポーツの試合でここまでのホームゲーム感を味わったのは初めてで、無味乾燥とした関東大学サッカーリーグに見慣れてしまっている筆者にはとても新鮮だった。

ハーフタイムには観客がコートに上がり半面ずつに分かれて3ポイントシュート対決をしたり、観客席へのグッズの投げ込みが行われて会場は大きく盛り上がった。

各ピリオド間は慶應大学のチアリーディング部がパフォーマンスを行った。ハーフタイムにこのような観客参加型のレクリエーションが行われたのは、観客を飽きさせない非常によく練られた構成だったと思う。
あっという間に試合は終了し、72-56で駒澤大学の勝利に終わったのだが一階席はほぼ満員の状態で、公式の発表はされていないが1500人ほどの観客が集まったようだ。

試合の結果はさておき、当日来場した慶應生は試合を通じて心の底から慶應生としての帰属意識を感じることが出来ただろう。試合の演出は全て慶應を応援する人のために行われていると言っても過言ではなく、あの雰囲気こそ大学スポーツのリーグ戦が目指すべきものだと強く感じた。一方であのような雰囲気作りは慶應義塾バスケットボール部員の努力に加えて、日吉キャンパス内で試合が行えたという立地も強く影響していると思う。大学には各競技がキャンパス内でホームゲームを行える環境整備を進めてもらいたいと強く思う。試合を行えるインフラはあるのだから。
試合には大学生だけでなく、慶應一貫校の学生や地域のミニバスケットボールチームの小学生、地域住民の方々も多く来場していた。慶應義塾バスケットボール部は昨年から学生が主体となって、地域密着プロジェクトと題して地元のミニバスケットボールチームや中学校、高校を対象にしたクリニックを開催しているそうだ。街のゴミ掃除など誰にでも出来ることではなく、あくまでバスケットボールという競技を通じて地元地域に貢献したいという思いは素晴らしいと思う。試合後には来場した一貫校の学生やミニバスチームの小学生に選手が直接感謝の言葉を述べてから快くサインに応じおり、日吉記念館には最高の”ARCH”が出来上がっていた。

今回のゲームの企画・運営を行った慶應義塾バスケットボール部は部内に広報班、企画班、集客班が設置されホームゲームの運営を行なっているそうだ。試合の告知ポスターなどは広報班が、ハーフタイムの観客参加型レクリエーションなどは企画班が手がけたという。
学生主体で競技部門だけでなく、マネジメント部門を組織して運営できるのは単純に凄い。そして何よりこれらを部員のみで行なっているという事実が尚更凄い。競技力強化への意識が強すぎる余りに “強化”と“普及”が分離している大学スポーツの現状の中で選手が競技部門とマネジメント部門を両立して行っていることはもっと注目されて良いと思う。
また、ゲームを開催するに当たって、アップで観客と同じシャツを着用したり、ハーフタイムに観客をコートに上げたりと通常の大学スポーツの試合では前向きには捉えられない施策も多く行われていたが、これらの施策も指導者の理解があって初めて行うことができたはずだ。
“強化”と”普及”の両側面を学生主体で追求する慶應義塾バスケットボール部の活躍から今後も目が離せない。

(文章 慶應義塾大学3年 原田圭)

ユニサカのクリエーティブディレクション、アートディレクションは株式会社ホッチキス様に担当していただきました。
ありがとうございます!

http://www.hotchkiss.co.jp/works/unisoccer/

10月17日に東京大学スポーツ先端科学研究拠点・政策ビジョン研究センターによる特別シンポジウム「“Society 5.0”とスポーツ先端科学研究 ~スポーツの新たな価値創出に向けて~」が開催されます。

スポーツ各界で活躍中の方が一堂に会するこのシンポジウム。
どのような議論が展開されるのか非常に楽しみです。
シンポジウムにはユニサカから俣野泰佑も登壇します。

参加には事前申し込みが必要ですので、参加される方はリンクから申し込みをお願いします。(13日17時締切)

http://utssi.c.u-tokyo.ac.jp/event.html